2018.9.01  土曜日 午後23時

慌ただしい日。といっても

楽しかった☆


今はぼくはしずこさんの居室にいます。

洋裁していたので

畳み一畳くらいの大きな断ち台が 

デスクで、食卓です。

40年間、しずこさんはここで過ごしました。

ぼくは高校の3年間をここで過ごし

それからは

26歳くらいまで

たまに帰って来て

またどこかにいってをくりかえしていました。

ここ数日、いろいろなモノを片付けています。

ものすごい食器の量。

一人暮らしやのに

どんだけ食器あるんね。

っていうくらい。

ブランドとかはわからないけど

どれもけっこいいい食器なんです。(笑)

半分自炊みたいなかんじなので

きょうはどの食器をつかおう、とか楽しいです。


廊下を隔てた向こう側に

しずこさんのベッドがある。

引き戸は開け放たれていて

ときどき様子を見に行く


一日のほとんどの時間は寝ているが

たまに起きている。

手が動いている。

顔と右手だけがかろうじて動かせるのだ。

志村けんのあいーんみたいなポーズになっていると

ああ、起きているんだな。と思い

ベッドの横に腰掛けて

手を握り、頭をなでる。じいっと目を見ると

楠之助さんそっくりやなあ。

しずこさんが元気なときは

目なんて1秒も合わせたことはなかったが

今は、じいいっと目を合わせても平気だった。

それでいて

特に感情が動かされることもなく

ああ、かわいくなってよかったよかった。と

平和な気分になる。


家に連れて帰って来て

本当に良かった。


数日前はすごく緊張していたけど

今はなんだかおだやかでいいカンジになれてよかった。




朝から訪問介護の看護師さん。

天井の蛍光灯が壊れた。

昨日の夜、蛍光灯が

急に点滅しだして、

おお、これはいよいよ・・・光臨か?

と、思ったら

蛍光灯が壊れただけだった。

ユキちゃんが新しい照明器具をホームセンターで買ってきて

つけてくれた。

メカに強い奥さんがいると助かる。



午後からいとこのKちゃん男子50代が来た。

Kちゃんなんてめったにあっわないレアないとこだけれど

会うと話が盛り上がって尽きなかった。

すごくおとなしくてひかえめでやさしい人

それでいて話題も豊富。

エキセントリックな親をお互い持って大変だねえ。(笑)

みたいな、身内ネタwww

しずこはデイサービスに文字通り命を懸けていたが

なんせ倒れたのがデイサービスにゆく準備の時だった。

いつもデイサービスがいかに素晴らしいか

熱くくどく語っていた。




しずこさんの若い女友達も見舞いに来てくれた。

彼女もずいぶんしずこさんと仲が良かった。

すごいキャリアウーマンで

バリバリ仕事をこなしているように思っていたが

じつはその裏で

両親とおばあちゃんの介護を

ずいぶん長くやってこられたそうだ。

 


訪問入浴サービスの方もやってきた。

バスタブ持参で

出張お風呂なんだそうだ。

車にボイラーも積んでいて

ながくホースを引っ張って

お風呂にいれてくれる専用サービスなんだそうだ。

でところが

しずこさんの体温が37度5分あって

入れなかった。

熱は入院中からずっと37度前後ある。

お風呂サービスの方が看護師さんに問い合わせたところ

ストップがかかりお風呂は中止になった。

身体を拭いてくれた。


みんな帰って

ぎゅーとらに買い物に行った。

前はしずこさんの弁当を買いに通った。

中華弁当 ハンバーグ弁当 ノリ弁当 焼肉弁当

ぼくは豆腐と納豆と半額のレタスと合鴨スモークとワインを買った。


夜はしずこさんの写真をスキャナーに取り込んでいた。

大事そうな写真は残して

どうでもよさげな写真は捨てる。

まだその作業の途中。




さっき、様子を見に行ったら

いびきをかいて寝ていた。

でも、何か様子が変だ。

ゼロゼロいっている。

あ、そうか。

痰か。

ゴム手袋をつけて

早速痰吸引。

そしたら

ゼロゼロがおさまった。

そういうことか。痰吸引。

ここ数日痰吸引を何度かやったけど

イマイチ吸引した実感がなかったが、

きょうはいわゆる 痰をほそいチューブに

いっぱい吸い取れた。

耳掃除で大きな耳くそが出てきた気分。

だんだんと痰吸引のスキルがあがってきた。

看取り日記