2018.8.22 水曜日

しずこさんが仕事を辞めたのが84歳ごろ。
今から6年前。
お金の計算を間違えて
お客さんに迷惑をかけたりすることも増えてきて
また、お客さんも高齢化して
お店を訪れるお客さんもめっきり減った。

若干のボケが始まり物忘れが多くなった。

でもどうもアルツハイマーや認知症でもなさそうだ。
3年ほど前に認知症専門医のところに診察に行った。

認知症ではないと言われた。
ただの老人性の物忘れだそうだ。
しかし、どうもそれでは満足しなかったようで
なんかおかしい。と言い続けていた。

確かに物忘れは年ごとに少しずつ
多くなってきた。

物忘れが多くなるということは
わたしたちにとってはむしろ
いい事だった。

「普通?」の時は
実に性格が悪かったので(笑)
私たちは
たびたび痛い目にあった。

物忘れがひどくなっても
性格が悪いのは変わらなかったが
言ったことを忘れてくれるので
いつもまでも
同じことをくどくどと言われなくなった。

自分の武勇伝や
自分がいかに褒められた話は
何百回も聞かされたが。

だんだんとそういう話も少しずつしなくなってきた。
それでも、気性は荒いので
時々けんかになった。
けんかになると自分はいきなり
被害者になって泣き叫ぶだだっこになってしまう。

車の走行中にドアを開けて飛び込んでやるみたいにするので
ほとほと手を焼いた。

なのでだんだんとしずこさんと距離がひらいていった。

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さていよいよ来週から
しずこさんをロミオに連れ戻し
自宅みとり介護をするわけですが、
果たしてどういうことになるのか
全く想像ができない。

わたしは
ロミオに泊まり込みになる。
一日のほどんどをロミオで過ごすことになると思う。
向こうにパソコンとベッドを持ち込む。

緊張というのはないが
どういうんだろう?
最大のネックは
しずこさんの裸をみなければならない。
と言うところに尽きる。多分(笑)

赤ん坊の裸を見るのは
かわいいだけだけど

90歳の老女の裸というのはどういうものだろうか?
おむつ交換とかすると思うが
出来ればやりたくないが
多分、一回すれば機械的にできる気はする。

そういうことは慣れなんだろうと思うが、

しずこさんと最後の日々を過ごすことになる。
などと書いても特にエモーショナルになるわけもないし。
やはり淡々と過ごすことになると思うが、

何がどう変わってゆくんだろう。

でも私は、しずこさんは幸せだと思う。
「愛する息子」に最後の最後で面倒みてもらって
自宅で死ねるなんて彼女にとって最高の死に方だと思うが
彼女は自覚してるかな?
まあ、どっちでもいいだけど。

でも私は最後までそれをミトル
そのミッションをこなす
自信はいまのところない。(笑)
自信はないが不安もあまりない。(笑)
むしろちょっとワクワクしている。

人の死にざまに付き合えるなんて
人生でそうざらにあることではない。
それがしずこさんであろうが、
誰であろうが
ご縁ある方を無事あの世に送り届ける
大事なお役目を仰せつかったような気がする。

それはとてもありがたいお役目だと思う。
幸せで旅立ってもらうように
万全を尽くそうとはとても決意している。


看取り日記